最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか、失敗は予測できる

最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか」という本と、「失敗は予測できる (光文社新書 313)」という本を読みました。

どちらも、失敗についての本です。

「最悪の事故が起こるまで〜」のほうは、事故の事例がこれでもかというくらい掲載されています。
この本で取り上げられているのは、飛行機やスペースシャトルや工場での事故についてで、ソフトウェアについての事故はとりあがられていません。それでも、失敗というのは様々な人的要因によって引き起こされるという意味では、学ぶところは少なくありません。

「第3章 「早くしろ」という圧力に屈する」などは、タイトルを見ただけで表情が曇ってしまいます。。。

失敗の原因となる人的要因についても色々と取り上げられていますが、「認知のロック」などはソフトウェアの世界でもありがちですね。極限状態に陥った時に、一たび「こうだろう」と思い込んでしまうと、なかなかその思い込みから脱却できないというものです。私自身、環境構築やトラブル対応にあたっていてうまくいかないときに、思い込みが原因で必要以上に時間をかけてしまったことは多々あります。原因がわかってしまえば、大したことではないことも少なくないのですが。。。わかっていても難しいですね。

一方の「失敗は予測できる」の方は、単に事例を紹介するだけでなく、過去の失敗を分析することにより、失敗を予測し・回避し・失敗から成功へと逆転しましょう、ということが書かれています。

失敗を回避するためには第3構成要素が必要という話や、失敗から成功に逆転させるためには要求機能に立ち戻って要求機能を検討しなおす必要があるといった話など、「どのように失敗に立ち向かったらいいか」が書かれています。

そうそう簡単に実践できる自信はありませんが、失敗というのは分野を問わず(ビジネスだけでなくプライベートでも)発生するものですので、こういった本を通して過去の事例から学ぶということは有意義だと思います。

最後に、本を読んでないと何ことかわからないと思いますが、「失敗は予測できる」から印象に残っていた部分を引用します。

失敗を予測し、回避できても、それで状況は好転したとはいえない。逆転するためには、仕事の志向手順の上流である要求機能をもう一回思い出すとよい。つまり、その要求機能を満足させる別の解を探すか、またはその要求機能自身を変えてしまうかを考え直した方がよい。