ウェブ時代をゆく

遅ればせながら、梅田望夫さんの「ウェブ時代をゆく」を読みました。

この本の中で、特に印象に残ったのが「ロールモデル」という考え方です。

自分の内から湧き出てくる何かが具体的に見えずとも、「ある対象に惹かれた」という直観にこだわり、その対象をロールモデルとして外部に設定する。そしてなぜ自分がその対象に惹かれたのかを考え続ける。それを繰り返していくと、たくさんのロールモデルを見つけることが、すなわち自分を見つけることなのだとだんだんわかってくる。

私がこの業界に魅力を感じたルーツは、「IT業界に抱く漠然とした理想」で書いたとおり、ネットスケープの創業者であるマーク・アンドレッセンです。
彼のエピソードを学生事態に読んだ時は、「技術1つで世界を変えた」ということに強く感動しました。当時は、「技術で」という部分を強く意識していたのですが、ぞの後いろいろと考えてみると、自分の志向は「世界を変える」方にあるんだなということがわかってきました。
例えば、私はオープンソースの世界でプログラマーとして活躍するということにあまり魅力を感じません。技術的に素晴らしい人たちがひしめきあって、さまざまなオープンソースプロダクトが世の中に出てきていますが、私はそれらを作る立場よりも、それらを利用して世の中の多くの人たちに使われるサービスを作るという方に惹かれます。
そういった意味では、ミクシィはけっこう自分の志向にも合うと思っています。大量のユーザーを支えるインフラの部分はすごいと思うのですが、ユーザーインターフェースについては(技術的には)すごいわけではありません。それでも、多くのユーザーに価値を提供して利用されているということが素晴しいです。

私も、「どういう技術を使うか」よりも「何を作ってどういった価値を提供するか」にこだわっていきたいと改めて思いました。

今、私は31歳。

たくさんのロールモデルを見つけ、自分なりにサバイバルしていくべく、向こう1年の内に大きな行動を起こさなければと思っています。

他にも、たくさんのことを考えさせられました。
特に印象に残った部分を引用します。

父は「そのほうが面白かったからだ」と私に言った。「新しい世界は、そこに入ってくる人たちをとても大切にしてくれる。そして何より新しい世界は面白く楽しかった。新しい世界を歩いてきたことに後悔はまったくないよ」と言った。

金銭的な動機より、そういう無形の価値を重視したほうがいい。ベンチャーとは「緊張感溢れる仕事環境に身を置くことで、個が成長できる場」と位置付けるのがいい。

レールがあると思っていても、実はそのレールがどこまで続いているかなんて誰にもわからない時代である。だから、迷ったとき悩んだときには、時代の大きな流れに乗った新しいことにあえて巻き込まれてみる。そしてそこで試行錯誤を繰り返してはその先の可能性を手探りしていく。

ここ1年くらい、いろいろなブログなどを読んだりしながら、自分の今後について考えたりしてきていますが、この本でさらに後押しされた気分です。