「日本の技術者はどうなるべきか」について考えたこと(2)

前回のエントリの続きです。


もう少し製品戦略的な方向に話を移すと、他社との製品連携において、ちゃんとエンドユーザーに価値を提供できるところまで持っていくことが重要だと考えています。
製品連携というのは難しい話題で、双方の開発作業の分解点をうまく決める必要があるため、営業中心に話が進んでいると開発しようが無い状況になっていたりします。一方、開発中心で話が進んでいると、なんとなく出来たとしてもどうやって売るのかがまったく決まっていなかったりします。
さらにいうと、「とりあえずつながる」だけでなく、「つながることによってこんなメリットがありますよ」ってことをちゃんと示して、実際に価値を提供するところまでいかないと意味は無いと思います。
海外の製品でも、「○○アダプタ」というものがついていて他の大手製品とつながりますよってことをアピールしているものを見かけたりしますが、それを実際に導入しているという事例はあまり耳にしません。

「とりあえずつながる」だけでなく実際に価値を提供できるようになるためには、ベンダー同士の協調性や互助精神が必要になってくるのではないでしょうか。ビジネスの世界ではありますが、損得勘定だけで動こうとしてもうまくいくものではないのかなと考えています。
こういった部分というのは、欧米のベンダーよりは国内ベンダー同士のほうがうまくいく可能性が高い部分なのかもしれません。

ジェフリー・ムーアの「キャズム」では、ホールプロダクトという概念が紹介されていますが、異なるベンダー間で連携を行う目的というのは、まさにそのホールプロダクトを実現・提供することだと思うので、ホールプロダクトを描いて連携を実現していくことが重要なんだと思います。


また、製品のアピール(マーケティング)も重要というのは、言うまでも無いところでしょう。
上っ面のインパクトだけでも宣伝効果を得ることは出来たりするので、あえてインパクト重視でいくというのもありといえばありだと思います(中身が伴わないと受注後に苦労することになりますが、それでも良ければ、戦略としてありと言えるかなと)。
とはいっても、日本人(特にエンジニア)の場合は、きちんと中身を重視する人が比較的多いと思います。
中身を重視するのはいいことですが、スピード感では劣るので、インパクト重視の製品に一方的にやられてしまうというのではしゃくです。
そうならないためには、他社の研究もしっかりと行って(この辺も日本人的にはあまり重視する人が多くないかもしれませんが)、自分達の製品の方が優れている部分をユーザーに訴求できるようにする必要があります。