エンジニアの新卒採用面接で良い人材を見極めるには

立場上、採用にあたって面接をすることが良くあります。

うちの会社では、中途採用よりも新卒採用のほうが圧倒的に多いです。
しかも、会社の成長のためにけっこうな人数を採用してきています。そうすると、開発部門においていわゆる「未経験者」も数多く採用することになります。
(大学時代に多少プログラミングをやっていたとしても、即戦力レベルの人は希少なので、そういった意味では情報系出身であっても実質的には「未経験者」が多いといえます)

Joel on Software」では、プログラマーの採用であればその場でコードを書かせろ、と書かれていますし、実際にそれをやっている会社も少なくはないと思います。
しかし、経験者採用ではないので、その手法は使えません。
かといって、人柄だけで判断するわけにもいきません。
「未経験者」として採用しても入社後に伸びる人もたくさんいるのですが、その一方で、エンジニアという仕事にまったくなじめずに短い期間でやめてしまう人というのもいるからです。

  • 「未経験者」であっても、エンジニアとして伸びそうかどうか

これを、面接という限られた時間の中でどのように判断したらいいか、ということをいろいろと試行錯誤してきました。

それで今、どのようにしているかというと、「何かしらを説明させる」ということをやっています。
これで、「説明力」と「理解力」(説明するためには理解している必要がありますから)を見極めようとしています。

以下、こんな聞き方をしているという例です。

例1(情報系の学科出身者の場合)

私:○○さんは情報系出身なんですね。大学の授業ではどんなことをやっていましたか?

相手:プログラミングのほかに、アルゴリズムの授業などがありました。

私:アルゴリズムの授業があったということは、いろいろなデータ構造やソートのアルゴリズムについてやったと思うのですが、その中で何でもいいので○○さんが理解しているものを説明して下さい。

例2(情報系以外出身の場合)

私:○○さんは大学での研究テーマはどのようなものでしょうか?

相手:「×××××」について研究しています。

私:私はその分野の専攻ではないので、タイトルだけ聞いてもちょっと内容が良くわからないのですが、私にもわかるように説明していただくことは出来ますか。


といった感じです。

前者の場合は、情報系出身であっても、丸暗記でなくちゃんと理解する力を持っているかどうかを見極めようという狙いです。
後者についても、専攻は違えど、何かしらを説明させることを試みます。
仕事においても、説明する相手の知識レベルはさまざまなので、後者のように私が知らないことを説明させる方が効果的かもしれません。この場合、口頭の説明だけでなく、ノートやホワイトボードを使ったり、例示を用いて説明できたりするとポイントが高いと思います。

ちなみに、こういったやり方をし始めたのは今年に入ってからです。
新卒採用の面接なので、今年合格にした学生が入ってくるのは1年後ということになります。ですので、ここで書いたような試みが効果的だったかどうかは、1年後に入ってくる新入社員たちの活躍次第ってことになります。